最終回 今はボウリングがすべて
霜出 試合中にノートを付けています。アプローチの何枚目に立って、どのラインをどのボールでどんなイメージで投げたとか。とくに成績が悪かったときは後で見て振り返ります。そのときのレーンコンディションや持っていったボールもメモしておいて、どのボールの相性がよかったかを覚えておくと、次に同じセンターで大会があったときに準備もしやすいですしね。
――成績が悪かったときは気分も落ち込むと思いますが、霜出プロの気分転換法は?
霜出 寝ることです(笑)。仕事以外で外出するのは好きじゃないし、物欲がなくて買い物にも興味がないので。
――着飾ることにも関心がない?
霜出 ないですね。だからキチッとした場に出るときの服装にいつも困ります。箪笥を開けてもユニフォームしか入っていないから(笑)。
――これといった趣味がない。
霜出 ないんですよねぇ(苦笑)。テレビも朝起きてニュースを見るくらいで、普段は見ないしゲームもしない。最近、テレビにYouTubeをつなげられるようになったのでボウリングを観ています。
――YouTubeでもボウリング!
霜出 あとはお喋りの勉強ですね。最近は取材や動画を撮っていただく機会が増えたので、もうちょっとお喋りをうまくしたいと思って、大好きな姫路麗プロ(33期)とか、他業種の方がお話している動画なんかを見ています。
――どこまでもボウリング中心なのですね。
霜出 なぜかボウリング以外のものは続かないんですよね。水泳は中学までしっかりやりましたが、算盤とか習字とか、ほかに習っていたものはある程度上達したら「もういいか」って感じになっちゃって(苦笑)。ホント、ボウリングだけですね。「次はこうしてみよう」とか「こんなふうに投げてみたい」と飽きずに取り組めるのは。周りに人が大勢いるスポーツということもあるでしょうし、ジュニアの頃から同い年で活躍している子が多くて、彼女たちに「負けたくない!」という気持ちが強いからでしょうね。
――「子供の頃から負けず嫌い」とコーチの方も仰ってました(笑)。では最後に、そんな霜出プロの究極の目標は?
霜出 今の自分にとっての麗プロのように、相手に「あの人とは対戦したくない」と思わせるような、絶対的な強さを身につけることです。関西オープン(18年)の決勝で麗プロに300点を出されて負けたとき、憧れの人の偉業を特等席で見られて嬉しかった半面、本当に悔しくて相当落ち込みましたから(笑)。 (了)
※本稿はタブロイド判4月号の掲載記事「表紙の顔」を、未掲載箇所を含めてインタビュー形式に再構成したものです。(聞き手・浜部良典)
しもいで・かな/1994年6月19日、千葉県柏市生まれ。
163㎝、右投げ。血液型O。 2017年プロ入り(50期/ライセンス№559)。 優勝1回(18年グリコセブンティーンアイス杯)。 昨年度ポイントランキング3位。 |