ボールの進化によってボウリングはどう変化した?

ボールの進化によってボウリングはどう変化した?

⑧ 一皮むいてパフォーマンスを復活

先月号に引き続き、ボールのパフォーマンスを維持するための方法についてお話しします。

現在はウッドレーンがどんどん姿を消し、ほとんどが合成レーンになってきました。合成レーンは基本的にリサーフェースの必要がない非常に硬い材質でできているので、ボール表面の泡の突起、つまり凸凹がレーンとの摩擦で、とくにローリングトラックの部分が削られてきます。いわば車のタイヤがすり減るようなもので、そうなればオイルを吸着できませんし、当然摩擦力は低下します。

では、パフォーマンスを復活させるためにどうするのか…。車のタイヤなら、すり減って溝がなくなれば復活はできませんが、ボウリングのボールは、皮をむくように表面を削り直すことで、新しい気泡の凸凹部分が表面に現れてきます。

“ボールスピナー”といわれるようなボールを研磨する機械を使用して、最初はサンドペーパーの目の粗いもので削り、じょじょに目の細かいものに変えて、最終的には発売当初の表面の状態に合わせていきます。そうすると、ボールがどんどん小さくなっていくんじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、サンドペーパーの荒いものでもミクロ単位ですから、まったく心配するようなレベルではありません。

各ボールメーカーもこの方法を推奨していますが、ボウラーのみなさんが自分でやるのは難しいと思うので、信頼できるドリラーの方などに依頼することになります。私はすでに実際に行っていますし、公認ドリラーのセミナーなどでは、こういうメンテナンスの方法があるということを、お客さんに発信してほしいという話をしていますが、まだ知らない人が多いのが実情です。

この方法でパフォーマンスを復活させることは、何回かは可能ですので、私は50~60ゲームに1回ぐらいはやった方がいいと思います。とはいっても、摩擦力を保持する役割を担う、カバーストックに含まれる可塑剤は、次第に飛んでいってしまいます。そうなると、いくらオイル抜きや表面研磨をしようとも、思うようにはリアクションが復活しなくなってきます。ゲーム数の多い人で半年、それほど多く投げない人でも、やはり1年ぐらいが寿命と考えておいた方がいいと思います。

プロボウラーは、パフォーマンスが落ちてきた、ピンの飛びが悪くなってきたと思ったら、すぐに新しいボールを開ける人が多いようです。ボール契約をしていて、メーカーから提供されるプロはそれでいいのでしょうが、自分で購入する一般のボウラーにとっては、そういうわけにはいきません。できるだけ長く、最初のパフォーマンスを維持できるように、適切なタイミングでオイル抜きや表面研磨などのメンテナンスをすることをお勧めします。

著者プロフィール
日坂義人(ひさかよしひと)
1949年生まれ。東京都出身。ドリラー・インストラクター歴47年。神奈川県のスポルト八景ボウルとハマボールに店舗を持つヒサカプロショップ代表。日本オリンピック委員会強化スタッフ・JPBA理事、JBC指導委員会認証部会公認ドリラー。JPBAインストラクター委員会メンバー。インターナショナルシルバーコーチ。

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