ボールの進化によってボウリングはどう変化した?

ボールの進化によってボウリングはどう変化した?

⑨自分のベンチボールを決めよう

エボナイト、ポリエステルの時代から、ウレタン、リアクティブを経て、現在のオイル吸着カバーへと、ボールの表面素材の変遷は、いかに摩擦力の高い素材を開発するかの歴史であったといっても間違いではないと思います。

しかしながら、摩擦力を追求する方向での開発競争も、ひと段落の感があるような気がします。際限なく摩擦力を高めればいいというものではなくて、レーンコンディションによって、あるいは個々のボウラーのスピードや球質によっては、摩擦力の大きさが、マイナスに作用してしまうこともあるのです。

現在市場に出ているボールの表面素材は、以前お話ししたように、ほとんどがオイル吸着カバーといわれるものです。それをタイプ別に分けると“ソリッド”“パール”“ハイブリッド”の3つに分類することができます。

それぞれにどのような添加物が使用されているのかは、メーカーは企業秘密として公表していないので定かではありませんが、ソリッドはトラクション特性が高く、オイリーなコンディションで有効とされます。逆にパールは、スキッド性がよく、ドライなコンディションで有効です。さらにその両方の長所を生かそうというのがハイブリッドで、ソリッドとパールの混合率を変えることで、ソリッド寄りからパール寄りまで、バリエーションは無限になります。

今やボウリングは、レーンコンディションに対してどのボールをチョイスするかが、重要なテクニックになっています。実際に、ボールアジャスティングの能力が高い人が好成績を残している傾向がありますし、制限がなければ、トーナメントに10個以上は持っていきたいというプロも大勢います。

しかし、自分で購入しなければいけないアマチュアボウラーの方が、それだけのラインアップを揃えるのは現実的ではありません。それでは、1年間に100個以上もの新製品が発売されるなかから、何を目安にボールを選んで購入すればいいのでしょうか…。

現在もアマチュアの方が求めるのは、より曲がるボールという傾向があります。私のプロショップでも、実際に売れるのは動くボールが圧倒的に多いのですが、ゴルフでいえばドライバーばかりを揃えてもしょうがありません。まずは自分のメインになるボールを探すことです。

“ベンチボール”という言い方がされていますが、今日のレーンはいつもより速いのか、あるいはいつもより曲がるのかというように、そのベンチボールを使うことで、その日のレーンコンディションを判断できるようなボールです。

自分にとってどれが最適なベンチボールかは、ボウラー個々の球質や投球スタイルによって、当然異なります。やはり信頼できるドリラーやプロボウラーなどにアドバイスを求めることが、間違いのないボール選びにつながると思います。ただ気をつけてほしいのは、プロボウラーは自分の感覚を伝えることが多いので、同じような技量を持っている上級者には非常に参考になりますが、圧倒的に多い中級者には、必ずしも当てはまらないことがあることを、頭に入れておいてください。

著者プロフィール
日坂義人(ひさかよしひと)
1949年生まれ。東京都出身。ドリラー・インストラクター歴47年。神奈川県のスポルト八景ボウルとハマボールに店舗を持つヒサカプロショップ代表。日本オリンピック委員会強化スタッフ・JPBA理事、JBC指導委員会認証部会公認ドリラー。JPBAインストラクター委員会メンバー。インターナショナルシルバーコーチ。

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