台湾ボウリングの現在地(1)

600から50へ──30年の時間が残したもの

▲取材対応を務めた呉明軒氏(右)と通訳の李訓方さん

台湾のボウリング界は、かつて600を超えるセンターが各地に存在した時代を経験している。
現在、その数は50前後。
数字だけを切り取れば、急激な縮小と映るが、その裏側には台湾特有の社会構造と、30年にわたる時間の積み重ねがあった。

1995年に開業し、約30年の歴史を刻んできた本センター。
昼間責任者を務める呉明軒(ウー・ミンシュエン)氏は、業界歴27年。
審判・コーチ資格を取得し、現在も研修を重ねながら現場に立ち続けている。
今回の取材には、通訳として李訓方(リー・シュンファン)さんが同行し、当時の空気感を丁寧に言葉へと橋渡しした。

1990年代後半、台湾選手がアジア大会で結果を残した時期と重なり、ボウリングは一気に大衆化した。
各県市に球場が建ち、週末は家族連れや若者でにぎわった。
「あの頃は、どこに行っても新しい球場ができていた」。
呉氏の言葉どおり、需要が供給を呼び、供給がさらに需要を生む好循環が続いていた。

しかし、その熱は永続しなかった。
2000年代に入り、地価の高騰と再開発の波が押し寄せる。
多くの球場は地主から土地を借りて運営しており、住宅建設という選択肢の前に撤退を余儀なくされた。
ボウリング場そのものの経営状態とは無関係に、土地の事情で姿を消した施設も少なくない。

結果として現在も営業を続けるのは、自前の土地を持ち、長期的な視点で運営を続けてきた施設が中心となった。
数は減ったが、その分、残った球場は設備更新や運営スタイルの見直しを重ねてきた。

台湾ボウリングの現在地は、単なる衰退ではない。
30年の時間の中で選別され、形を変えながら生き残ってきた現場の集積でもある。

(次号へ続く)


亜運保齢球館
住所:No. 338, Huacheng Rd, Xinzhuang District, New Taipei City, 台湾 242
電話番号:+886222768979
ホームページ:http://yayunbowling.com.tw/

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