台湾ボウリングの現在地(2)

民間が支える競技──選考制度と現場の役割

▲取材にご協力いただいた亜運保齢球館

台湾において、ボウリングは競技スポーツとして位置づけられているが、その運営基盤は国家主導ではない。
専用の国家級施設は存在せず、競技の舞台は一貫して民間のボウリング場が担ってきた。
政府主導で整備される競技と比べると、支援体制は決して厚いとは言えないが、それでも競技として存続してきた背景には、現場の積み重ねがある。

競技面を統括するのは中華民国ボウリング協会。
代表選考は月例のポイント制大会を軸に行われ、全国の選手が各地で開催される大会に参加し、成績を積み上げていく。
会場は固定されず、北部・中部・南部を巡回する形式が取られているため、選手にはレーンコンディションだけでなく、照明、空調、視覚的な違いへの適応力も求められる。

この選考方式は、単発の爆発力よりも年間を通じた安定感を重視するものだ。
呉明軒氏が語る台湾選手の特徴も、まさにそこに重なる。
台湾では、ストレート主体の選手から回転系、独自色の強い投球スタイルまでが共存しており、日本やアメリカのように特定の型に収束していない。
その中で評価されているのは、大崩れしないスコアメイクと再現性の高さである。

競技環境を語るうえで欠かせないのが、聴覚障がい者選手の存在だ。
今回の取材で明らかになったのは、多くの選手が日中は仕事を持ち、限られた時間の中で練習を重ねているという現実である。
専業として競技に集中できる環境ではないが、協会がコーチを配置し、球場が練習環境を提供することで競技活動が成り立っている。

本センターでは、入口を階段からスロープへと改修し、車椅子利用者でも安全に入場できる動線を確保してきた。
レーン周辺も段差を解消し、視覚や聴覚に障がいのある利用者にも配慮した設計が施されている。
照明、空調、レーンの更新も段階的に進められ、30年という時間の中で少しずつ環境が整えられてきた。

台湾の競技ボウリングは、表舞台に立つ選手だけで成り立っているわけではない。
国家施設がないからこそ、民間施設が担ってきた役割は大きい。
その積層が、現在の台湾ボウリングを静かに支えている。

(次号へ続く)


亜運保齢球館
住所:No. 338, Huacheng Rd, Xinzhuang District, New Taipei City, 台湾 242
電話番号:+886222768979
ホームページ:http://yayunbowling.com.tw/

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